あしたの君へ

あしたの君へ

(106)
著者柚月裕子
発行日2019-11-07
出版社文春文庫
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。 だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。 試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。 窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。 心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――。 彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。

かすみ(40代・女性)

1人の青年の成長と社会問題をうまく融合させた作品だと思いました。慣れない場所に慣れない仕事。大地の不安な気持ちは、自分が社会人になった頃の気持ちによく似ていて、読んでいるうちに大地の母親のような目線になっていました。大地が壁にぶつかる度に胸を痛め、乗り越える度にホッとしました。
そして、ネットカフェで暮らす親子や、離婚調停で揺れる夫婦など、現実にもあり得る問題なのでそこにも引き込まれました。
苦しんでいる人や、悩んでいる人の心に寄り添うことが求められる家庭裁判所調査官補という仕事の難しさが、大地を通してよくわかりました。

ねっとりな田中(30代・男性)

家庭裁判所調査官補の主人公を中心に様々な人間模様と主人公の成長が多数描かれており、多彩な変化を楽しめました。特に最終話のその緊張感はとても良い意味で弛緩的でした。追い打ちをかけるような解説に描かれたエピソードも必読と言えましょう。

ゆづき(40代・男性)

家裁調査官という仕事に触れることのできる内容。少年や家庭内の出来事に直面する立場で、色んな人々の苦悩や不安に対して真摯に立ち向かう姿が描かれているところが印象的でした。あっという間に読み切ってしまいました。

ニモ(30代・男性)

家庭裁判所調査官という仕事をこの本を読んで初めて知りました。大地が少しずつ成長していく姿に心動かされ、自分も仕事を頑張ろうという気持ちになりました。ストーリーのテンポがよく、最後まで楽しんで読むことができました。

みゆき(30代・女性)

簡易裁判所の見習いとして働く官補に焦点を当てた作品で、新米の官補の元に舞い込む様々な案件を主人公目線に立って、時に悩み傷つきながらも成長していく新米官補の物語にありふれていない作品として、その面白さを実感することができました。昼ドラのようなドロドロの関係にも刺激を感じることができました。

ぽちた(30代・男性)

軽いところは軽い重たいところは重たい、といったような内容のバランスの取れていた作品でしたので読みやすくて良かったです。最後は結構重たいシーンでしたが、それでも心に残るような作品になりましたので、また作品を見返したいなと思っていますね。

さくらのつぼみ(40代・女性)

この物語を読んで初めて家庭調査官と言う職業を知りました。
そしてこの主人公の心の温かさに触れる事で自分も家族や友人を大切にしたいと言う優しい気持ちを持たせてもらいました。
他人の人生に立ち入るのは仕事と言えども躊躇するものですがその関わり方を丁寧に書いていてもっと続きを読みたいと思いました。

LP
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