盤上の向日葵

盤上の向日葵

(112)
著者柚月裕子
発行日2020-09-24
出版社中公文庫
さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?

みのちゃん(30代・女性)

父親から暴力を受けている新聞配達の少年が、近所に住む将棋好きの元校長先生から将棋を教わって、賭け将棋で生計を立てる『真剣士』と出会い、騙されて一度将棋から離れて大企業の社長になり、将棋タイトル『龍将』に挑戦する物語です。
見どころは主人公の出生の秘密と、波乱万丈の生い立ちです。少年漫画さながらのサクセスストーリーです。
特に”プロ養成機関『奨励会』を経ずにプロ棋士編入試験に合格し、『龍将』に挑戦する”という経歴はフィクションならではです。現実では『奨励会』に在籍せずにプロになった人はいません。
NHKで実写ドラマ化されました。竹中直人の迫真の演技が素晴らしいです。小説版とドラマ版で結末が異なります。

真帆(40代・女性)

棋士である上条桂介は本当に実在する棋士なのではないかと思うぐらいのリアリティさを感じさせました。
そして、将棋をしている間の棋士というのは、まるでコンピューターのように様々な考えを巡らせ、その反面とてもデリケートな一面もあるのだということを感じさせました。
奨励会を経ずにプロ棋士となったという設定にもとても心惹かれました。
世紀の一戦に、上条はどのような思いで立ち向かっていたのか、そのあまりにも過酷な人生に言葉が出ませんでした。

千日手(60代・男性)

将棋を趣味に持つ筆者にとっては見逃せない一遍でありましたね。
本とドラマと両方見ましたが、ドラマの方は何と言っても超個性派の二人の役者、竹中直人と柄本明、両氏の演技が光ったし、其処に千葉雄大のフレッシュな演技も良かったです。
物語はある殺人事件の謎からはじまるが、其処に将棋の世界を巻き込んで、更に一層の将棋の世界の激しい闘いと将棋の世界の魅力や奥深さを感じることが出来ました。

読書好き(40代・女性)

事件が起きるとともに2つの物語が交差して進むストーリーになっています。
日本推理作家協会賞作家だけあって、展開が読めないハラハラした小説です。
ミステリー好きな私はいろいろな作家さんの小説を読んでいるので、ある程度のストーリーは予測できますが、何度読んでもあきないのがミステリー小説の魅力だと思っています。
ミステリーというジャンルをまだ読んだことない人は、一度読んでほしいなと思う作品です。

LP
タイトルとURLをコピーしました