検事の死命

検事の死命

(92)
著者柚月裕子
発行日2018-08-24
出版社角川文庫
郵便物紛失事件の謎に迫る「心を掬う」、検事の矜持を描いた「死命を賭ける」ほか、検事・佐方貞人が活躍する、法廷ミステリー第3弾。

ジャック(30代・男性)

柚月裕子さんの「孤狼の血」シリーズと並行して読んでいた作品で、内容は180度異なるものの、非現実的で周囲に迎合しない個性的な人物描写という観点から言えば、検事シリーズの佐方も柚月さんらしい愛と良い意味でのおじさん要素に溢れている。
若き日の佐方の葛藤と一貫した追求心と権威に立ち向かっていく姿勢が驚愕で、痴漢冤罪を皮切りに国家の隠蔽工作に隠れた闇や旧態依然の体質を浮き彫りにしていく様は、日本社会の問題点や欺瞞に満ちた生活への清涼剤になっていて、じめっとしながらも痛快な展開に目が離せません。

DJANGO(40代・男性)

「検事の本懐」と同じく一見何の変哲もない事件の裏に隠された真実を執拗な追究によって導き出す検事の活躍を描いた
ミステリ短編集で、うだつのあがらなそうな見た目とは正反対の”鋭さ”を発揮し事件の真相を暴きだしてゆく検事の姿勢が
あくまで心地よい。

LP
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