朽ちないサクラ

朽ちないサクラ

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著者柚月裕子
発行日2018-03-07
出版社徳間書店
米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた。県警広報広聴課で働いて4年、森口泉は、嫌な予感が頭から離れない。親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか? 「お願い、信じて」そして、千佳は殺された――。県警広報課事務の私に、何ができる? 大藪春彦賞作家、異色の警察小説。

よぺ(30代・男性)

読みやすかった仕上がりでしたが、でもちょっと結末的にスッキリしたというような気持ちにはならなかったですね。
事件の解決などしっかり解決する内容であった方が、スッキリした気持ちになって良かったなと思いましたね。
それでも、じっくり読むことができた作品です。

麗奈(40代・女性)

ストーカーによる事件から、警察の裏の部分へとストーリーが動いていくのが、とても自然な流れに感じました。
親友を疑わなくてはいけない泉も、泉に疑われた千佳も悲劇だったように感じました。
もし、あの時に泉が千佳を信じていたなら、彼女が殺されることはなかったかもしれない。
これから先も、泉はそのことを忘れることはないのだと思うと、更に切なくなってきます。ですが、このことが泉の心を動かし、彼女を成長させてくれたことには違いないと感じました。

ゆづき(40代・男性)

警察と公安警察の話がとても興味を持たされる内容。
序盤、中盤、終盤と展開スピードが異なり、どんどん読み進めてしまいました。
わからないことがわかっていく爽快感があるのに、最後の大どんでん返しには驚きました。
タイトルにあるサクラ、最後まで読んで納得できました。

ヤマト(40代・男性)

警察が舞台の物語。あるストーカー事件から話が始まります。
警察の不祥事や公安との対立、警察の闇の部分を細かく描写していてストーリー展開に引き込まれページを捲る手が止まりませんでした。読み終えると色々問題を考えさせられる良い作品に仕上がっていました。

サンフラワー(40代・女性)

物語の始まりがストーカー殺人、その裏に見える警察の不祥事と言う事でとても身近で実際にありそうな内容に興味を持ちました。
友人の死や事件の真相をしていく中で起こる主人公の心の葛藤も共感しました。
何が本当で誰を信じて良いのか主人公になりきった気持ちで読み進めることが出来たので面白い作品でした。

ちろろ(20代・女性)

朽ちないサクラ、という綺麗なタイトルに惹かれて読み始めました。
展開はわかりやすかったけど、最後の泉の決心にはもやもやしてしまいました。主人公なのにかなり利己的な印象を受けて、一生懸命だけどあまり好きになれません。強い意志の持ち主ではあるけれど、あまりにも図太すぎる気がしました。
警察の怠慢というわかりやすいネタがあったので、すごく現実と重ねて考えてしまいました。こういうこと実際よくありそうだし、それが殺人事件に繋がるのは少し怖いです。宗教チックな話も絡んでくるので、余計に事件の深淵を覗くようなぞっとした雰囲気もあります。
警察は個人を救うものではないの、と疑問にも感じてしまいました。

LP
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