凶犬の眼

凶犬の眼

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著者柚月裕子
発行日2020-03-24
出版社角川文庫
映画化「孤狼の血」シリーズ、待望の最新刊! 捜査のためなら、俺は外道にでもなる。 所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく……。 警察vsヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。

くまないのやかた(30代・男性)

終始国光寛郎の行動そして精神論に憧れる内容でした。特に人を殺すことなど絶対にあってはならないが自らの仁義を1mmたりともぶれることなく貫き通す姿は本当格好良かったです。
そして全体的にヤクザの世界とは言え、正義と仁義、改めて考えるようになりました。我々はどちらを取るべきなのか。どちらを取れば相手が幸せになるのか。現代社会に問いかけているような本です。

金鵄(30代・男性)

「孤狼の血」シリースの続編にあたる、この「凶犬の眼」は柚月さんが大切にしている信念や倫理観、人間として「筋」が通っているかという本質が巧みに描かれていて、その中で日岡という男の成長物語も見られるので、前作からのファンをがっかりさせません。
大上という強烈なキャラクター不在の物足りなさを、國光という気骨のある人物がしっかりと穴埋めしていて、往年のハラハラした展開と人間の妙味をダイレクトに感じられる小説です。

ペコ(40代・男性)

ヤクザ映画が大好きな自分にとって読んでいて非常に共感できる点が多く魅力的でした。とても女性の筆者の作品とは思えないぐらい男勝りの力強い作品で驚かされました。ストーリーも秀逸で何度も読み返し考えさせられた場面も多く面白かったです。

DJANGO(40代・男性)

駐在所勤務となった日岡が刑事復帰を焦るあまりにある「賭け」に出るがそれが広島の「極道社会」に波紋をもたらす・・
警察も極道も「人間らしさ」を剥き出しにしてぶつかりあう様が前作に劣らぬ筆致で描かれ、物語に引き込まれた。

tk_05(20代・男性)

前作の狐狼の血の続編とのこともあり期待は大きかったです。
前半の日岡の大上を失ってからの無気力感や警察の意に反した結果終わりの見えない駐在所勤務には同情を感じました。
しかしヤクザの抗争の話から日岡の気持ちにエンジンがかかり命懸けのストーリー展開が始まっていく段階から、このシリーズではやっぱり荒々しい内容があるからこそ面白いと思いました。
大上の信念を引き継ぐ日岡の今後のストーリーも気になるところだと思います。

LP
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