パレートの誤算

パレートの誤算

(98)
著者柚月裕子
発行日2017-04-12
出版社祥伝社文庫
市役所で生活保護受給者のケアの担当になった聡美。不安を抱く彼女を励ましてくれた先輩の山川が殺された。優秀な先輩の知られざる一面が見えてきたとき、新たな惨劇が…。生活保護の闇に迫る、社会派ミステリー。

シュージ(40代・男性)

貧困ビジネスを主題に置いた作品。自分には縁のない話と思って読み始めたけど、ストーリーが進んでいくうちに自分自身のことかと考えるくらい心を抉られました。
命の大切さ。強いものが弱いものを食い物にする。それに抗う主人公。想像していなかった結末でしたが読後感のいい物語に仕上がっています。

突然乗った油(30代・男性)

作者である柚月さんはヤクザを描いている方が生き生きとしているのではないか?と疑いたくなる作品の一つです。
最後まで聡美と小野寺のそれぞれの葛藤がありながらも前向きに対象者に向き合っていく姿は言葉に表すことができない感動を覚えます。間違いなく柚月さんの傑作の一つと言える本です。

金鵄(30代・男性)

「生活保護」をメインテーマにした本作は社会的問題を孕んだ骨太なミステリーで、人間やお役所仕事、善と悪、人権など多岐に渡る問題提起が全編にわたって強烈に胸を打つ読み応えのある良作です。
仕事に熱心で正義感のある山川という人間の死をきっかけに、複雑な利権が交錯する物語とそれを具体化する柚月さんの繊細でダイナミックな筆力に素直に驚かされます。

ゆづき(40代・男性)

ケースワーカーという市役所でもさまざまな問題がある部署で働くことになった若手公務員が主人公。
ケースワーカーとして、職場の先輩や生活保護受給者などの色んな関係性に向き合っていくストーリーです。制度や社会福祉の限界と仕事のやりがいを考えながら向き合っていく姿は、読んでいて感心させられるものでした。

tamacoo(50代・女性)

受給者、ケースワーカー(公務員)、政治家、ヤクザなど生活保護に関わる面々を、それぞれの立場から繊細なタッチで描きだした小説で、一種のミステリー作品としても楽しめました。
アリ社会と同じように、人間社会も一定数の人間は怠け癖が一生治らない、という思いも抱かせてくれました。

クリボー(30代・男性)

昨今の社会問題に触れた作品でとても興味深かったです。ケースワーカーの仕事内容や大変さを知ることができました。伏線が所々にあり、読み進めていくのが面白かったです。重めのテーマでしたが、最後は心温まる結末だったので良かったです。

後藤の誤答(30代・男性)

リアリティを感じる設定や描写、終始ドキドキしながら楽しんで読むことができました。単純に物語としても面白く、続きが気になり、没入感も高い作品です。生活保護という身近かつ語りにくいものをテーマとしている所も、非常に興味深いところです。

LP
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