最後の証人

最後の証人

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著者柚月裕子
発行日2018-06-15
出版社角川文庫
検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。それにも拘わらず、佐方は弁護を引き受けた。「面白くなりそう」だから。佐方は法廷で若手敏腕検事・真生と対峙しながら事件の裏に隠された真相を手繰り寄せていく。やがて7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになり……

てきてき君(30代・男性)

とにかく全体的に圧倒的な展開でした。現在の裁判と犯罪に至るまでの場面を交互に織り交ぜて展開されるストーリーは読んでてとてもワクワクしましたし、ラストの公判3日目からは特に激しく進んでいく感じがしました。いろんな仕掛けが仕込まれており、ミステリーの面も大変強く最後まで楽しませて頂きました。

クラッシュ(30代・男性)

私も子どもがいるので、感情移入しながら読みました。登場人物の心情がとても丁寧に書かれています。夫妻の気持ちを考えると胸が痛み、復讐したくなる気持ちがわかりました。後半のどんでん返しにも驚かせられ、まさにタイトル通りだと思いました。

金鵄(30代・男性)

検察官「佐方シリーズ」の中でも最も印象的なのが、この「最後の証人」で隠蔽された事実に辿り着こうと躍起になる主人公に自分の姿を僭越ながら照らし合わせてしまわずにはいられない、心揺さぶる傑作です。
真っ直ぐな信念や仕事観で対立することも多いが、お金や利己のためではない佐方の正義を追求し、悪や欺瞞を一掃しようとする姿勢に最後まで目が離せません。

ゆづき(40代・男性)

法廷が舞台になった驚きなストーリーです。被告人を信じる凄腕の弁護士が無罪を勝ち取れるかというだけでも面白そうなのに、最後に「えっ」っていう展開が待ち受けていたなんて、最後まで楽しめました。被告人と呼ぶ法廷ならではだと関心させられました。

ちろり(20代・女性)

私は、今までに読んだ柚月さんの作品の中では、これが一番好みです。息子夫婦の犯人への深い恨みが丁寧に描写されていて、読んでいてとても心が苦しくなる、悲壮感漂うストーリーでした。
依頼人に対しての不安感が最初大きかったのですが、最後のどんでん返しで、しっかり納得できた作品でした。真相に迫っていくにつれて、その事件の真相だけでなく佐方の心情や人としての在り方も、どんどん明確になっていきます。
佐方の考え方、事件に対しての向き合い方が、本当に格好いい、立派なものでした。柚月さん書くミステリーは、いろいろな角度から人間の心情が味わい深く描かれていて、読んでいて感情移入してしまいます。

たろきち(40代・男性)

読み始めて感じた率直な感想としましては主人公のキャラクター性が独特な雰囲気を醸し出しており、あまりの面白さに一気読みしたくなる衝動に駆られました。本当の真実とは何なのかを読みながら何度も考えさせられた作品です。

DJANGO(40代・男性)

元検事の弁護士が「興味本位」で引き受けた殺人事件の弁護が過去に起きた事件の真相に肉薄していくというスリリングな
展開に引き込まれ、謎解き自体の面白さと事件にまつわる人間ドラマの配分が絶妙なところも良かった。

LP
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