ウツボカズラの甘い息

ウツボカズラの甘い息

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著者柚月裕子
発行日2018-10-10
出版社幻冬舎文庫
家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。彼女から化粧品販売ビジネスに誘われ、大金と生き甲斐を手にしたが、鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として突然逮捕されてしまう。無実を訴える文絵だが、鍵を握る加奈子が姿を消し、更に詐欺容疑まで重なって……。全ては文絵の虚言か企みか? 戦慄の犯罪小説。

詠子(40代・女性)

読み進めていく度に、えっと驚くことが多すぎて、この先どうなるのかが全く予想できませんでした。途中から、文絵が幻覚を見ているとわかり、余計に迷路に迷い込んだような気持ちになりました。そして、意味深に現れるサングラスの女の存在が、更にミステリー要素を際立たせてくれて、彼女の正体をあれこれと考えさせられました。
ウツボカズラというタイトルも、とても絶妙だと思います。知世のお金に対する執念の凄まじさは、まるで甘い蜜で必死に獲物をとらえようとするウツボカズラのように感じて、読んでいるうちにゾクッとしました。

健康な田中の田中(30代・男性)

タイトルで読むのを躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、中身はとても上質なミステリー作品となります。
刑事の秦・菜月が辛抱強く真犯人に迫っていくその姿には憧れしかありません。
そして人々の悩みは大体が金・容姿・愛のいずれかなんだなと思わず考えさせる作品とも言えます。

momo22(30代・男性)

ウツボカズラの甘い息は登場人物のキャラクター設計が丹念に描かれており、すんなりと矛盾を感じることなく受け入れることができました。
また、ストーリーは最後までどうなるのかわからない、犯罪小説特有のスリルと興奮を感じることができて、犯罪小説好きには一押しの作品だと思います。

ようこ(30代・女性)

ウツボカズラの甘い息でもそうですが、柚月さんの作品で凄い!と思える点については、後半に向かうにつれての伏線回収が凄まじい勢いで展開されて凄いと思えるものでありました。
全てのキャラクターに存在価値があり、心の病を患っている主人公から始まるストーリーの伏線回収が見事なものであると思えました。

しほ(30代・女性)

ウツボカズラの甘い息としまして、ごく普通に生活している家族である妻が変貌を遂げていく心の儚さを実感できる作品でありました。
かつての美貌を失った主婦については五万といる中で、同級生との再会、そして、巨大な事件に巻き込まれていく平凡な主婦の日常生活の危うさや、人間の心の脆弱さがダイレクトに伝わってくる作品でした。

サクラ(40代・男性)

主婦の目線からと警察の目線の二つストーリーから物語が展開していきます。
読み進めていくうちに点と点が線に繋がっていき小説の世界観に引きずり込まれていきます。
自分が信じていたものが崩れていく瞬間はハッとさせられます。ラスト30ページは一気に読ませるほど疾走感のある作品でした。

LP
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